スタッフ日記
「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」東京都美術館 【会社設立・相続は横浜の響き税理士法人にご相談ください】
すこし前になりますが、東京都美術館の「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」(平成27年9月19日~12月13日)を観に行って来ました。
平成26年も国立西洋美術館でありましたし、何度目だろうモネ展。。。と思いつつ、混雑を覚悟しながら足を運びました。
会場に着いてみると、やはり入場規制。
中に入ってもこの分厚い人だかり。日本でのモネ人気恐るべしです。
人ごみに押されながら、少しずつ作品に近づいていきます。
モネ自身が86歳で亡くなるまで手元に置き続けた作品、ルノワールの描いたモネ夫妻や、モネが描いた子供たちの成長記録の肖像画、旅先の風景画、、、画家にとって親密な作品が並びます。
息子ミシェルからマルモッタン美術館に遺贈されたモネ・コレクションを中心に、約90点が紹介されていました。
二階の展示室に上がると、少しだけ人いきれの温度が下がった気がします。
そして、この展覧会前期のみ展示で、今回の最大のお目当て
「印象、日の出」
とご対面です。
「印象派」の名の由来となったこの作品。21年ぶりの来日だったそうです。
暗がりの中、やや強めのライトに浮かび上がるオレンジ色の太陽。
小舟が浮かぶ水面はブルーグレー、見上げれば朝焼けです。
朝の静寂を見守るように昇ってくる太陽が、水面へ向かって光を伸ばしています。
もちろん、画集などでは何度も観ている作品ですが、実物の放つ存在感や、朝焼けにしては鮮やか過ぎるオレンジ色に目が奪われ、何時間でも観続けられそうな気がしました。
そうそう、かつて「日の出」ではなくて「日の入」ではないかという論争があったそうです。
近年の検証・研究の末、「1872年11月13日午前7時35分頃のル・アヴールの港」を描いたと推定されています。
やはり「日の出」という事ですね。
当時の写真や地図から場所を特定、さらに気象などの記録を参照し、煙の描写から風は東向きであることが分かったそうです。
また、画面中央には水門があり、その開門時間と太陽の位置を比較検討。モネのサインまでも分析したそうです。
この検証経緯は、会場内のパネルでも丁寧に紹介説明されていました。
順路は「睡蓮」の作品群へと繋がって行きます。
異なる光の中で繰り返し描いた「睡蓮」の絵ばかりが並ぶ展示室には、描きかけのように見える作品もありました。
それは晩年の作品で、白内障を患ったモネが光を失いつつ、色彩への思いをぶつけたようにも感じられます。
自然な色の見え方を失うことを恐れ、眼の手術を拒んでいたそうですが、周りの説得もあり、手術を受けたことで色彩を取り戻したモネ。
手術後の色彩感覚を調整するためにかけていた黄色いレンズの眼鏡も展示されていました。
(カタログより)
移りゆく光と色彩へのモネの感性が、今でも活き活きと作品に刻まれているように感じた展覧会でした。
展覧会最後には、田辺誠一画伯(?)の「カッコいいモネ」も展示されていましたよ。(写真撮影OKでしたので、パシャリと)
ちなみに、後期のみ展示の「ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅」は見逃しました。。。
平成28年も、前半から見逃せない美術館展が目白押しです。
・ボッティチェリ展
http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_botticelli.html
・カラヴァッジョ展
http://caravaggio.jp/
・ルノワール展
http://renoir.exhn.jp/
・若冲展
http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_jakuchu.html
・俺たちの国芳わたしの国貞
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_kuniyoshi/
興味のある方は是非。